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Google CloudのCloud SQLについてまとめてやんよ!!!

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Cloud SQLについて

Cloud SQLとは、Google CloudのRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)で、
MySQL、PostgreSQL や SQL Server(Microsoft開発のRDBMS)にも対応したデータベースが利用できます。

CPU / メモリ / ストレージの拡張や、バックアップやレプリカ作成などの設定も容易で、プロダクトのスケールアップの際にはBigQueryなどの上位サービスへの連携も簡単に行えるのが魅力です。


Cloud SQLを採用する面での注意点

個人的な趣味レベルのアーキテクチャには過剰なサービス

そもそも論ではありますが、Compute EngineやCloud Runなどのアプリ側のインスタンスとの連携が簡単かつ運用面のことはほとんど気にする必要がないGoogle技術の恩恵が大きいので、
Docker環境で開発したコンテナを手っ取り早くデプロイしたい場合には最適ですが...最大にして唯一の欠点とも言える問題...

それは「一般的なDockerに対応しているレンタルサーバー/VPSに比べて料金が割高」なことです。

試験的な期間限定の運用であれば、インスタンスを停止すれば請求は止まります(パブリックIPなどを解放している場合は微々たる請求は継続されます。)が、
とりあえず中・長期的に運用しておきたい趣味以上・仕事未満のプロダクトに採用する場合は必要以上のコストがかかってしまいます。

さくらのVPSConoHa VPSなどの国内サービスではサーバーもストレージも込みで月1,000円以下でも運用が可能なので営利目的でない完全に趣味の領域での運用ならば、こちらを選択した方が良いのは言うまでもないです。

リージョンが近ければ安い訳ではない!

これは完全な情弱の思い込みでしたが、作成するインスタンスとアプリのリージョンが近ければ一番コストがかからないと脳死で東京リージョンを選択していましたが、
実はすべてのリージョンの中でも東京リージョンは上から数えた方が早いくらいに高い価格帯という事は事前に知っておくべきです!


インスタンス作成時の構成と運用コストを把握しておく

データベースのインスタンス作成時には主に以下の項目を考慮しながら設定する必要があります。

項目 詳細 概要
基本構成


インスタンスID

ベータベース構成全体をまとめるインスタンスの名前

管理者パスワード

利用するための管理者パスワード

データベースのバージョン

MySQLなら 5.6 / 5.7 / 8.0
PostgreSQLなら 9.6 〜 14
SQL Serverなら 2017 / 2019

スペック


CPU数

メモリ容量

マシンタイプの基本スペック

ストレージ容量

データベースの容量

リージョンとゾーン

インスタンス作成場所 インスタンスを作成するメインの場所
ゾーン可用性の選択 障害が起きてもサブを稼働させてシステムを停止させない様にできる複数のゾーンに置くか否かの設定
ネットワーク構成 インスタンスIPの割り当て インスタンスに接続を許可するネットワークを定義する
プライベート or パブリック
データ保護 バックアップ設定 バックアップの時間・保存先・数の設定
削除保護 機能をOFFにするまでインスタンスの削除不可

これらの構成をテキトーだったり無駄にハイスペック設定にしてしまうと、利用していなくても稼働しているだけであっという間に数十万円という請求になってしまうので、
瞬間的なアクセスが多いならCPU&メモリ重視だったり、アクセスは少ないがデータ量が多いならストレージ重視

専用インスタンスを設けるまでもなければ共有マシン設定にして根本的に低スペマシン上で稼働させる
といった具合にどこに重きを置くかを運用スタンスやプロダクトとの相性を見極めて設定する必要があります。

作成後の構成内容の変更も可能

基本構成以外はインスタンスを作成した後でも変更が可能ですが、スペック項目の変更については1度インスタンスの再起動が必要になるため、稼働中のサービスと連携している場合は事前にメンテナンスなどの通知をしてサービスの停止をしておきましょう


ポイント① インスタンスのマシンタイプ構成を見直す

マシンタイプ構成の概要を把握する

専用インスタンスに選択できる最大 CPU 数は 96 個、最大メモリ容量は 624 GB です。CPU とメモリの料金は、インスタンスが配置されているリージョンによって異なります。

そこまで高スペを求めない場合は共有コアタイプに設定することで、レンタルサーバーと同じように他のユーザーと共有するインスタンスを選択することで専用とは比較にならないコスト削減ができます。

マシンタイプ プリセット種類 vCPU数 メモリ (GB)
共有コア

A 1 0.614
B 1 1.7
軽量 A 1 3.75
B 2 3.75
C 3 3.75
カスタム 1 〜 96

3.75 〜 13
の間で設定

標準 A 1 3.75
B 2 7.5
C 3 15
カスタム 1 〜 96 3.75 〜 13
の間で設定

ハイメモリ

A

4 26
B 8 52
C 16 104
カスタム 1 〜 96  3.75 〜 13
の間で設定

ただし共有コアは低コスト=低スペックであるため、本格的にユーザーが定着した個人開発アプリやサービスの本番環境の用途としては推奨されません

スペック以上にリージョンによって料金が大きく変わる

インスタンスには「シングルゾーン」と呼ばれる1ヶ所にのみマシンを作成する通常タイプ
HAと呼ばれる複数のリージョンにマシンを設置して、インスタンスをシステムの障害が発生しにくい構成にする高可用性の上位モデルが存在するため、どちらを選ぶかでも費用感が異なります。

1時間あたりの従量制料金(米ドル)
リージョン
通常 HA (高可用性)
1vCPUあたり メモリ(GB) 1vCPUあたり メモリ(GB)
アイオワ
us-central1
$ 0.007 $ 0.007 $ 0.0826 $ 0.014
オレゴン
us-central1
$ 0.0413 $ 0.007 $ 0.0826 $ 0.014
ロサンゼルス
us-west2
$ 0.0495 $ 0.0084 $ 0.0991 $ 0.0168
ソルトレイクシティ
us-west3
$ 0.0495 $ 0.0084 $ 0.0991 $ 0.0168
ラスベガス
us-west4
$ 0.0442 $ 0.0075 $ 0.0884 $ 0.015
北バージニア
us-east4
$ 0.0442 $ 0.0075 $ 0.0884 $ 0.015
サウスカロライナ
us-east1
$ 0.0413 $ 0.007 $ 0.0826 $ 0.014
モントリオール
northamerica-northeast1
$ 0.0454 $ 0.0077 $ 0.0909 $ 0.0154
トロント
northamerica-northeast2
$ 0.0454 $ 0.0077 $ 0.0909 $ 0.0154
サンパウロ
southamerica-east1
$ 0.0619 $ 0.0105 $ 0.1238 $ 0.021
サンティアゴ
southamerica-west1
$ 0.0578 $ 0.0098 $ 0.1156 $ 0.0196
ベルギー
europe-west1
$ 0.0413 $ 0.007 $ 0.0826 $ 0.014
フィンランド
europe-north1
$ 0.04543 $ 0.0077 $ 0.09086 $ 0.0154
ロンドン
europe-west2
$ 0.04956 $ 0.0084 $ 0.0991 $ 0.0168
フランクフルト
europe-west3
$ 0.04956 $ 0.0084 $ 0.0991 $ 0.0168
オランダ
europe-west4
$ 0.0454 $ 0.0077 $ 0.0908 $ 0.0154
チューリッヒ
europe-west6
$ 0.0537 $ 0.0091 $ 0.1074 $ 0.0182
ワルシャワ
europe-central2
$ 0.04956 $ 0.0084 $ 0.0991 $ 0.0168
ムンバイ
asia-south1
$ 0.04956 $ 0.0084 $ 0.09912 $ 0.0168
デリー
asia-south2
$ 0.04956 $ 0.0084 $ 0.09912 $ 0.0168
シンガポール
asia-southeast1
$ 0.0578 $ 0.0098 $ 0.1156 $ 0.0196
ジャカルタ
asia-southeast2
$ 0.0537 $ 0.0091 $ 0.1074 $ 0.0182
シドニー
australia-southeast1
$ 0.05576 $ 0.00945 $ 0.1115 $ 0.0189
メルボルン
australia-southeast2
$ 0.05576 $ 0.00945 $ 0.1115 $ 0.0189
台湾
asia-east1
$ 0.0413 $ 0.007 $ 0.0826 $ 0.014
香港
asia-east2
$ 0.0619 $ 0.0105 $ 0.1238 $ 0.021
東京
asia-northeast1
$ 0.0537 $ 0.0091 $ 0.1074 $ 0.0182
大阪
asia-northeast2
$ 0.0537 $ 0.0091 $ 0.1074 $ 0.0182
ソウル
asia-northeast3
$ 0.0537 $ 0.0091 $ 0.1074 $ 0.0182

 

インスタンス起動中に1時間あたりにかかるコストが上記の目安となります。
vCPU1つだけを見ても1日のコストでアイオワ(約$0.17)と東京(約$1.3)では7倍以上料金の差があるため、国内向けサービスのプリダクトだからといって脳死で国内リージョンを契約してしまうと思わぬコストが嵩んでしまうので

多少のレスポンスの差を気にしないのであれば、まずはアイオワに設定するだけでもだいぶコスト削減が可能になります。

1ヶ月あたりの従量制料金(米ドル)
リージョン
通常 HA (高可用性)
1vCPUあたり メモリ(GB) 1vCPUあたり メモリ(GB)
アイオワ
us-central1
$ 30.15 $ 5.11 $ 60.3 $ 10.22
オレゴン
us-central1
$ 30.15 $ 5.11 $ 60.3 $ 10.22
ロサンゼルス
us-west2
- - - -
ソルトレイクシティ
us-west3
- - - -
ラスベガス
us-west4
$ 32.26 $ 5.47 $ 64.52 $ 10.94
北バージニア
us-east4
$ 32.26 $ 5.47 $ 64.52 $ 10.94
サウスカロライナ
us-east1
$ 30.15 $ 5.11 $ 60.3 $ 10.22
モントリオール
northamerica-northeast1
$ 33.16 $ 5.62 $ 66.32 $ 11.24
トロント
northamerica-northeast2
$ 33.16 $ 5.62 $ 66.32 $ 11.24
サンパウロ
southamerica-east1
$ 45.23 $ 7.67 $ 90.46 $ 15.34
サンティアゴ
southamerica-west1
$ 42.21 $ 7.15 $ 81.4 $ 14.3
ベルギー
europe-west1
$ 30.15 $ 5.11 $ 60.3 $ 10.22
フィンランド
europe-north1
$ 33.1639 $ 5.621 $ 66.3278 $ 11.242
ロンドン
europe-west2
$ 36.18 $ 6.13 $ 72.36 $ 12.26
フランクフルト
europe-west3
$ 36.18 $ 6.13 $ 72.36 $ 12.26
オランダ
europe-west4
$ 33.16 $ 5.62 $ 66.32 $ 11.24
チューリッヒ
europe-west6
$ 39.2 $ 6.64 $ 78.4 $ 13.28
ワルシャワ
europe-central2
$ 36.18 $ 6.13 $ 72.36 $ 12.26
ムンバイ
asia-south1
$ 36.18 $ 6.13 $ 72.36 $ 12.26
デリー
asia-south2
$ 36.18 $ 6.13 $ 72.36 $ 12.26
シンガポール
asia-southeast1
$ 42.21 $ 7.15 $ 81.4 $ 14.3
ジャカルタ
asia-southeast2
$ 39.19 $ 6.64 $ 78.38 $ 13.28
シドニー
australia-southeast1
$ 40.7 $ 6.9 $ 81.4 $ 13.8
メルボルン
australia-southeast2
$ 40.7 $ 6.9 $ 81.4 $ 13.8
台湾
asia-east1
$ 30.15 $ 5.11 $ 60.3 $ 10.22
香港
asia-east2
$ 45.23 $ 7.67 $ 90.46 $ 15.34
東京
asia-northeast1
$ 39.19 $ 6.64 $ 78.38 $ 13.28
大阪
asia-northeast2
$ 39.19 $ 6.64 $ 78.38 $ 13.28
ソウル
asia-northeast3
$ 39.19 $ 6.64 $ 78.38 $ 13.28

前項目の1時間あたりの稼働を1ヶ月続けた料金の目安です。
こちらもアイオワと東京では月額$10以上の料金の差があります。


ポイント② ストレージ構成を見直す

こちらは事前に設定した項目の1GBあたりの料金になり、予想外のコスト増加にはなりにくい項目なのでプロダクトのスケールと下記の項目を事前に考慮しながら設定しましょう

  • ディスクタイプ(HDD or SSD)
  • 容量(最低10GB〜)
  • 自動バックアップ設定
1GBあたりの月額料金(米ドル)
リージョン 通常 HA (高可用性)
SSD HDD バックアップ SSD HDD バックアップ
アイオワ
us-central1
$ 0.17 $ 0.09 $ 0.08 $ 0.34 $ 0.18 $ 0.08
オレゴン
us-central1
$ 0.17 $ 0.09 $ 0.08 $ 0.34 $ 0.18 $ 0.08
ロサンゼルス
us-west2
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
ソルトレイクシティ
us-west3
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
ラスベガス
us-west4
$ 0.1819 $ 0.0963 $ 0.0856 $ 0.3638 $ 0.1926 $ 0.0856
北バージニア
us-east4
$ 0.1819 $ 0.0963 $ 0.0856 $ 0.3638 $ 0.1926 $ 0.0856
サウスカロライナ
us-east1
$ 0.17 $ 0.09 $ 0.08 $ 0.34 $ 0.18 $ 0.08
モントリオール
northamerica-northeast1
$ 0.187 $ 0.099 $ 0.088 $ 0.374 $ 0.198 $ 0.088
トロント
northamerica-northeast2
$ 0.187 $ 0.099 $ 0.088 $ 0.374 $ 0.198 $ 0.088
サンパウロ
southamerica-east1
$ 0.255 $ 0.135 $ 0.12 $ 0.51 $ 0.27 $ 0.12
サンティアゴ
southamerica-west1
$ 0.238 $ 0.126 $ 0.112 $ 0.476 $ 0.252 $ 0.112
ベルギー
europe-west1
$ 0.17 $ 0.09 $ 0.08 $ 0.34 $ 0.18 $ 0.08
フィンランド
europe-north1
$ 0.187 $ 0.099 $ 0.088 $ 0.374 $ 0.198 $ 0.088
ロンドン
europe-west2
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
フランクフルト
europe-west3
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
オランダ
europe-west4
$ 0.187 $ 0.099 $ 0.088 $ 0.374 $ 0.198 $ 0.088
チューリッヒ
europe-west6
$ 0.221 $ 0.117 $ 0.104 $ 0.442 $ 0.234 $ 0.104
ワルシャワ
europe-central2
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
ムンバイ
asia-south1
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
デリー
asia-south2
$ 0.204 $ 0.108 $ 0.096 $ 0.408 $ 0.216 $ 0.096
シンガポール
asia-southeast1
$ 0.238 $ 0.126 $ 0.112 $ 0.476 $ 0.252 $ 0.112
ジャカルタ
asia-southeast2
$ 0.221 $ 0.117 $ 0.104 $ 0.442 $ 0.234 $ 0.104
シドニー
australia-southeast1
$ 0.23 $ 0.122 $ 0.108 $ 0.459 $ 0.243 $ 0.108
メルボルン
australia-southeast2
$ 0.23 $ 0.122 $ 0.108 $ 0.459 $ 0.243 $ 0.108
台湾
asia-east1
$ 0.17 $ 0.09 $ 0.08 $ 0.34 $ 0.18 $ 0.08
香港
asia-east2
$ 0.255 $ 0.135 $ 0.12 $ 0.51 $ 0.27 $ 0.12
東京
asia-northeast1
$ 0.221 $ 0.117 $ 0.104 $ 0.442 $ 0.234 $ 0.104
大阪
asia-northeast2
$ 0.221 $ 0.117 $ 0.104 $ 0.442 $ 0.234 $ 0.104
ソウル
asia-northeast3
$ 0.221 $ 0.117 $ 0.104 $ 0.442 $ 0.234 $ 0.104

例えばあまりコストを考慮せずになんとなくでMySQLを東京リージョンのSSDで20GBのバックアップ機能ONにした場合は、1GBあたり$0.325になり、稼働中は$6.5の料金が発生します。

こちらもコストを最低限に抑えたい場合は、リージョンはアイオワ、HDDの10GBでバックアップ機能ONに設定かつ、ストレージの自動増量をONにしておくことで、通常時は$0.89まで抑えることでできます。


ポイント③ 確約利用割引を活用して運用コストを下げる

必要最低限の構成をしたとしても決して安くはない料金にはなってしまうが、運用は続けなければならないといった長期運用を前提とした場合には確約利用割引という仕組みがあります。

1年間または3年間の利用を確約することで、ストレージやネットワーク料金以外の上記の価格から25〜52%の割引を受けることも可能になるため、こちらも検討してみましょう

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